【プロポーズコラム】Vol.24 マリッジブルーは男性にもある。不安でも一歩踏み出せる理由と向き合う方法
多くの女性にとって、「大好きな彼からのプロポーズ」は、ずっと夢見てきた憧れのひとつ。
プロポーズは“されること”そのものより、「この瞬間のために準備してくれた」ことが、何よりの喜びになります。
その準備は、指輪や演出などではなく「自分のことをちゃんと考えてくれたんだ」という想い。それが彼女の記憶に刻まれます。
プロポーズ前に押し寄せる不安
でも、いざプロポーズしようと考えたとき…。
なぜか気持ちが揺れたり、不安なったりする。「このまま自然に結婚してもいいのでは?」と迷い始める自分に戸惑っていませんか?
それは決して、“覚悟が足りない”わけでも、“愛が足りていない”わけでもありません。
むしろ本気だからこそ、「本当に自分でいいのか」「思い描く将来を築けるのか」と、さまざまな思いが押し寄せてくるのは、ごく自然なことなんです。
本記事の目次紹介
不安になるのは、自分だけじゃない
「プロポーズ=サプライズでロマンチックに」そんなイメージが今も根強く残る中で、SNSを開けばキラキラした報告や、完璧に演出されたプロポーズ投稿が目に入ってくる。
それを見て「自分には無理かも」と感じてしまう男性は、決して少なくありません。
プロポーズに対する“ギャップ”とプレッシャー
・男性からプロポーズすべき
・指輪は給料3ヶ月分
・ロマンチックな演出はマスト
今では“古い常識”になりつつあるにも関わらず、実際にはまだ“そうしないといけない空気”が残っていますよね。
だからこそ、「彼女をがっかりさせたくない」「変に期待させたままにはできない」という想いがプレッシャーとなり、気持ちがブレーキをかけてしまうのです。
理想と現実に悩むのは、自然なこと
愛する人との未来を思い描き夢見る“理想”と、どんどん迫ってくる“現実”に、気持ちが追い付かない瞬間があるのも当然です。
そんなふうに揺れ動くのは、あなたが“本気で未来を考えている証拠”です。焦る必要はないので、その気持ちから目をそらさずに向き合ってみましょう。
次のセクションでは、なぜプロポーズを“先延ばし”にしてしまうのか、その背景にある感情について、もう少し深く整理していきます。
プロポーズを先延ばしてしまった心理
お客様とお話していると、プロポーズを先延ばしにしてしまった理由として、こんな声がよく挙がります。
・タイミングを逃してしまった
・サプライズが苦手で不安
・誰か相談にしたいけどできなかった
・彼女の理想に応えられるか自信がない
最初は何気ない会話の中でぽろっと出た一言が、話していくうちに「本当は不安だったんです」と、少しずつこぼれてくる。
お客様の様子を伺いながら「結婚を決める=人生が大きく変わること」へのプレッシャーなのだと感じます。
”現実”として押し寄せてくるプレッシャー
プロポーズの準備を進めていくほど、リアルな課題が次々と頭をよぎります。
・もし彼女を幸せにできなかったら?
・経済面は大丈夫だろうか?
・将来の価値観にズレはないか?
こうした“整理できていない不安”を抱えたまま、「一生をかけて相手を支える」決断を迫られるのです。
だからこそ、プロポーズという“はじめの一歩”が、とても重たく感じられて動けなくなってしまうのでしょう。この気持ちは弱さではなく、真剣に向き合おうとしているからこそ生まれる重さです。
お互いが寄り添うことも大切
プロポーズを心待ちにしている女性に、ぜひ知っておいていただきたいことがあります。いま彼らは、決断を避けているのではなく、“軽く扱いたくない”と思って立ち止まっているということです。このような迷いは、彼女を大切に思うからこそ生まれるものです。
今まさに迷っているあなたは、きっと誠実でやさしい人なのでしょう。急がなくても大丈夫、“向き合うこと”からは目をそらさず、自分のペースで少しずつ歩み出してみてください。
“マリッジブルー”は女性だけじゃない
「マリッジブルー」と聞くと、結婚を控えた女性が抱える感情と思われがちですが、実は今、男性も同じように不安や迷いを感じることが“当たり前”になりつつあります。
責任感があるからこそ、不安になる
結婚が“現実”として見えてくるほど、考えることは一気に増えます。
・仕事と家庭の両立
・生活レベルや将来の経済計画
・子育てやライフスタイルの選択
そうした数えきれない要素の中で、自分の在り方や選択に迷いがうまれるのは当然です。これは、彼女との人生を真剣に受け止めようとしているあなただからこそ感じる不安です。
“爆発”する前に、気持ちの整理を
自分の中で不安や違和感を無理に押し込めていると、ある日突然、気持ちが崩れてしまうこともあります。
彼女のことを本気で想うあなたにとって、「自分はどうしたいのか」「何が不安なのか」を言語化して整理しておくことは、とても大切です。
それが“今すぐプロポーズしよう”という結論ではなくても大丈夫。でも、“本当の気持ちを置き去りにしない”ことが、この先のふたりの関係にとって大きな意味を持ちます。
不安の正体を整理する“3つのステップ”

ここまで読み進めて、「もしかしたら自分も…」と感じた方も多いかもしれません。
けれど、漠然とした不安は、ただ抱えているだけでは消えてくれません。むしろ、時間が経つほど膨らみ、判断を迷わせてしまうこともあります。
そこでおすすめなのが、
不安を“見える化”する3つのステップです。
少しずつでも整理していくことで、気持ちに余白がうまれ、自分のペースで前に進めるようになります。
気持ちを整理するステップ①
不安を書き出す

最初のステップは、自分の中にある不安を文字にして可視化することです。
紙でもスマホのメモでも構いません。自分が「何に不安を感じているのか?」を、あえて言葉にしてみましょう。
・結婚までの段取りやスケジュール
・経済面の不安(収入・貯金・支出)
・彼女との価値観の違い
・ライフスタイルの擦り合わせ
こうして書き出してみると、意外なほど「自分が考えていたこと」が整理されていきます。
とくに多いのが、“プロポーズをしたらすぐに結婚準備が始まる”という焦り。「少し余裕をもって伝えたい」と思っていたはずなのに、いつの間にか“段取りゲーム”のように、息をつく暇もないまま不安だけが募ってしまう方も多いのです。
でも忘れないでください。
目の前にある不安は「立ち止まるサイン」であり、ゴールではありません。
気持ちを整理するステップ②
誰かに話すことで、気持ちを整理する

自分の中で気持ちの整理ができたら、信頼できる誰かに話してみるのも大きな一歩です。
・男友達
・既婚の先輩
・兄弟、親族
・第三者の立場にいる人
“自分の声を話す”ことで、気づいてなかった本音に出会えたり、「意外とみんな同じことで悩んでるんだな」と安心できたりするものです。
コンシェルジュとしてのアドバイス
私たちメリアルームは、プロポーズ用のフラワーギフトを扱うフラワーショップですが、実はお客様がご来店される理由の多くは「商品を見るため」よりも「相談したくて」なのです。
「話を聞いてもらえて気持ちがラクになった」
「女性目線のリアルな声が聞けて、自信が持てた」
そんなふうに言っていただけるたびに、“悩んでいいし、不安でいいんだ”と感じられる場が必要なんだなと、あらためて実感します。
プロポーズは、誰かのアドバイスを受けても、最後は自分で決めるもの。でも、「聞いてもらえる」「共有できる」だけで、心はぐっと軽くなります。
気持ちを整理するステップ③
結婚もプロポーズも、予想外の連続

不安の多くは、「ちゃんとしなきゃ」「彼女を支えなきゃ」「絶対に失敗できない」そんな“理想の自分像”が、プレッシャーをかけているのかもしれません。でも現実は、想定外の連続です。
私の結婚式でも…
私の結婚式では、まさかのハプニングが起きました。
緊張のあまり母が倒れてしまい、会場が一時騒然となる瞬間があったのです。
幸い、スタッフや参列者のサポートで事なきを得ましたが、「完璧な準備をしていても、想定外は起きる」と身をもって感じた出来事でした。
また、参列してくれた友人は、式のあとにこう話してくれました。
「あの場に立つ花嫁花婿の姿を見て、はじめて“自分にもできるかもしれない”と思えた」
人の幸せそうな顔を見て、そこに“自分たちの未来”を重ねられた。それが、不安を乗り越える転機になったそうです。
周囲と比べないことの大切さ
SNSでは、豪華な演出や理想的なプロポーズばかりが目につきます。でも、それは完成された一瞬だけを切り取った投稿です。その裏で、悩んだ時間や誰にも言えなかった葛藤は、映っていないだけ。
自分の今の状態を、他人の“完成形”と比べる必要はありません。それだけで、ずいぶん気持ちは楽になります。
プロポーズは“整って”からするもの?
プロポーズをするというと、「すべての準備が整った状態であるべき」と思い込んでいませんか?
実際のところ、思い通りに進まないことも当日のハプニングもあります。
それでも、彼女が幸せそうな笑顔で「うん」と答えてくれた瞬間にすべてが報わる…
そんな最高の思い出となったプロポーズ報告を、私たちは日々もらいます。
彼女も、不安と期待でのあいだで揺れている
たとえば女性の中には、結婚をきっかけに職場を退職したり、住まいや人間関係を変えたりする人も多くいます。新しい環境に向かうという点では、彼女もまた「希望と不安のはざま」で揺れているのです。
私自身、結婚を機に転職を経験しました。
「新しい人生のスタートだ!」と前向きに思う一方で、それまで積み上げてきたキャリアが手放されるような気がして、心がふわふわ落ち着かない日々もありました。私のように、結婚をきっかけに住まいと職を変える女性も多くいます。
ふたりで乗り越えていくもの
不安を言い出せないまま、お互いが気を遣い合って、結果的に孤独になってしまうのは残念なこと。
だからこそ、“結婚とは、完璧な状態だからするもの”ではなく、“これから一緒に整えていくもの”なのだと思います。ふたりで歩く人生だからこそ、互いの気持ちを言葉にして、少しずつ確かめ合っていくことが何より大切です。
求められているのは、
“完璧”じゃなくて“あなたの言葉”
彼女が本当に求めているのは、「なんでもできる理想の彼氏」ではありません。必要なのは「これからも一緒に考えながら歩いていこう」という想いを、きちんと伝えてくれる“あなた自身”です。
SNSや映画で見るような、ドラマチックな演出を準備するよりも、「不安もあるけど、ふたりでならきっと乗り越えていけると思う」「これからも一緒に生きていきたい」
そんな一言が、彼女の心に何より深く残るプロポーズになります。
今が、その時かもしれない
不安や迷いがあっても、「このままじゃいけない気がする」と感じている今こそ、あなたの中に、ひとつの“答え”が芽生え始めているサインかもしれません。
「ちゃんと向き合いたい」
「自分の想いを伝えたい」
そう感じているなら、それはもう十分すぎるほど、あなたが誠実である証です。形式にこだわる必要はありません。花束がなくても、指輪がなくても、あなたの言葉で伝えることこそが一番のギフトです。
まとめ|「迷い」があるのは本気の証。
あなたらしい一歩を
結婚を考えたとき、不安になるのはあなただけではありません。それは誰にでも訪れる“人生の分岐点”に立っている証であり、そして何より──本気で彼女との未来を想っているからこそ、生まれてくる気持ちです。
プロポーズは、完璧な状況や完璧な自分を待つものではありません。“想いを伝える覚悟”を持ったときこそが、あなたにとってのベストタイミング。
「これからも、ふたりで歩いていきたい。」そんなシンプルな言葉が、彼女の心にきっと届きます。迷っているということは、あなたの中にすでに“覚悟の芽”が育ち始めている証拠です。その一歩を、あなたらしい形で踏み出せますように。